匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( 冷たささえ感じるその無機質な声と言葉は自分にとってははまるで背中につららを入れられたかのような冷酷さで、その末恐ろしさに喉元がヒュッと縮こまり。ご機嫌取りの手土産にさえも目もくれず、ただいつものように、しかしどこか影を感じる花のような笑顔にそこしれぬ危うさを感じてはゾッと鳥肌を立てて、箸にも棒にもかからない相手の背中を立ち尽くしたまま見送ることしかできず。ひとまず、相手に言われた通りに風呂に入ることにして、体を洗い終えればざばっと勢いよく湯船にはいる。しずかな空間と暖かいお湯のお陰でさっぱりとしたためか、自分はなんてことをしてしまったのだとあらためて自分のしでかしたことの重さを理解して。このままではいけないと決心すればまた勢いよく湯船から上がり、体から水分を拭きあげて着替えれば、すでにおりょうの匂いはついておらず、いつものよつに石鹸の花の香りを漂わせている体で相手の部屋の前まで行ってコンコンとノックをして。「 椿、入ってもいいか? 」と、扉越しに相手に呼びかけるその声はまるで怯えた子供のような恐る恐ると言った声で。 )
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