匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( よほど夢中になっていたのか、部屋に入ってもこちらの存在にしばらく気づくことなくて、お陰でじっくりと椿のダンスを鑑賞することができて。遊郭でリズム感などが鍛えられたためか、そのステップは乱れることなく、相手がくるりと回る度にそのエプロンがふわりと楽しそうに舞う様はまるでドレスのようで。ようやくこちらの存在に気づいたようで、その白頬にぶわっと朱が染まっていけば「 可愛らしい舞だったよ。 」と、舞を堪能させてくれた相手にお礼を言うが、羞恥に悶える相手からしたら追い討ちにしかなっていなくて。わなわなと蘇芳の瞳をこれでもかと見開く相手がいつと問いかけてくると「 エプロンを摘み始めたところから。 」と、これまでの相手の舞を初めから全部見ていたことを暴露してさらに追い討ちをかけて。耐えきれずにしゃがみ込んでこちらを見上げる相手に「 魔法が効いてるみたいでよかったよ。 」と、昨日の車の中での会話で、自分は椿の魔法使いという仰せつかった役を引き合いに出せば、かけた魔法を存分に楽しんでくれているようでよかったと微笑んで。 )
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