匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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─── …はい、ありがとうございます、直政様。
( 彼の真摯な優しさに、じわじわと心が解けていくような心地がする。無理矢理この食生活を改善させるわけでもなく、放っておく訳でもない。近過ぎず遠過ぎないこの優しい距離感がどうしようも無く椿にとっては心地が良くて嬉しくて、浮かべた笑顔はまるで蜂蜜のようにとろりと蕩けてしまうような笑顔で。仕事用のスーツに着替えた彼を見送ろうとぱたぱたと駆け寄れば、単純な椿の乙女心はきゅん、と高鳴ってしまう。元々の精悍な顔立ちとすらりとした彼のスタイルを強調するようなピッシリとした仕事用スーツはまた外出用のスーツの印象とはまた違うようで、こんなに素敵な人が職場にいたら女の人みんな好きになっちゃうわ…!と小さな焦りを胸にして。だがそんな可愛らしい嫉妬も束の間、彼の手にある見覚えのある包みにむ、と小さな唇を尖らせてはこれから早くお弁当も作れるようになろうと決意をして。だがしかしその黒い感情を隠すように精一杯にっこりと愛嬌のある笑顔を浮かべては「 はい、お任せ下さい!…いってらっしゃいませ、直政様。お早く、帰ってきてくださいましね。 」と彼から頼まれた家事作業に力強く頷いては、彼の胸元にそっと手を添えそのまま背伸びをしては彼の耳元で囁くように左記を告げて。 )
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