匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
通報 |
あう…………
( まだ舌に苦味がこびり付いているような気がして顔をムキャ!とくしゃくしゃにさせながら椿が悶えていると、何やら彼が珈琲になにかを施してくれたようでもう一度飲んでみるように促される。生理的に出てきた涙で潤んだ蘇芳で彼を本当?と言いたげに見つめては、恐る恐るといったようにカップに手を伸ばして。先程の何もかも飲み込んでしまうような黒ではなく滑らかな茶色になってどことなく匂いも甘ったるくなった其れは、今ならばなんだか飲める気がして椿はゆっくりと一口飲んで。「 !あまくて美味しい……! 」 と先程の表情からは一転、きらきらと瞳を輝かせては先程よりもずっと滑らかで甘くなった珈琲にこれなら飲めるとこくこく頷いて。これならば彼の好きなものもきっと自分も好きになれると、まるで彼が魔法を施したかのようにスっと飲みやすくなった珈琲に視線を落とせばにこにこふわふわ上機嫌に笑って。 )
トピック検索 |