匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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お邪魔します…──
( 非常に簡素な答えが返れば「…へ、」と短く一音を発して、だらだらと冷や汗を垂らす。触れてはいけない話だったのかもしれない、と迂闊な問いを掛けたことへの後悔を抱きながら道中を過ごしたけれど、ぽつりと溢したような挨拶とともに一軒家の中へとおずおずと足を踏み入れたなら、その背後で今更ながら加えられた説明に「あ…、そういうことでしたか」と、失礼がなかったのならよかったと安堵の息吐きつつ胸を小さく撫で下ろし。しっとりと濡れた衣服は上下とも。衣服を隠すようにしていた鞄を伸ばした腕の先へと下ろせば、こくんと小さく頷き返すとどこかへ先ゆく彼の後ろ姿を見送っては、ぽつりと大人しく指示通りに彼が戻るのを待つけれど。何に使うのか桜の花びらを入れた帽子へと一度視線を移したなら、その隣に佇むハーバリウム、それから片づけられた玄関全体、壁──その奥にはどんな空間が広がり、かつてどんな風に過ごしたのだろうか。ゆるく視線を動かしながら、彼が過ごした生活空間をぼんやりと見遣るとしみじみと呟いて )
逆巻さんのおうち…。
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