匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
![]() |
通報 |
はい、なんです──…っひゃ、え、なに!?
( 心地良い春の陽気や、花綻ぶ柔らかさにつられ普段よりも多少なり気が解れているのか、笑う度に纏う柔らかな雰囲気にきゅんとときめく。せっせと帽子の中に桜の花弁を入れる様子もなんだか可愛くて微笑ましく思えば、そっとスマホを構えて密かに撮影を──とその瞬間、彼に話しかけられ背筋をしゃんと伸ばしたなら、どてっと背後で転ぶ音とともに何かが腰回りに掛かり冷たい。瞳をまんまるにしながら驚いて上半身を捻り振り返れば、地面に体を突っ伏した男児とぱちりと目が合う。転んだことの痛さに加えて人にジュースを掛けてしまったことへの反省か、双眸を潤ませ今にも泣き出しそうな表情へとみるみる変わっていけば、慌てて靴を履きつつ男児の傍へと駆け寄ると「ありゃ…転んじゃったの、怪我ない?泣かないんだあ、すごいねえ」と手を取り立たせながら、にへらと笑みを浮かべて。きゅ、と唇の真ん中を上げつつ泣くのを堪えた男児はぷるぷると首を左右に振ると『おねえちゃ、ふく…ごめんなさい』と反省を口にするも「洗えばいいだけだし大丈夫!怪我しないように気を付けて遊ぶんだよぉ、お姉ちゃんとの約束ね」とにこやかに笑みを返すと、ほ、どこか落ち着いたようにこくりと静かに頷く男児。そこへ『うちの子がすみません…!』と事態に気付いた親御さんらしき女性が駆け寄ってくるけれど、液体の正体は子どもが握った紙パックから察するにりんごジュースのようで染みにはならないだろうし、差し出されたクリーニング代も丁重に断りを入れては、手を振りながら親子を見送って )
トピック検索 |