匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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いえ全然っ!…会えて嬉しいです。
( 手櫛でぱぱっとぼさついた前髪を整えては、隣に並んでも恥じないほどにはなっただろうか。そのまま手のひらを左右に振りつつ、柔和に笑んで正直な本音を溢すけれど、それは周囲に聞こえないように少しだけ声量を落とし。マスクをしていない理由に、ああ、と手元のマスクを見遣るもすぐに着用されてしまえば、少し残念なような、周りの女子生徒の目もあれば少しほっとしたような。それでも周囲の視線が落ち着くことはなく、場所を移動しようかと思った矢先、本日の用件であるという差し出された紙袋をきょとん顔で受け取ると、何か忘れてたっけ、とその中身を紙袋の口から覗き込んで。「飴──…の、バスドロップ?」一見飴に思われたそれは、キャニスターの上部に貼り付けられた表記シールで入浴剤と知れば、忘れたどころか仕事現場に持ち込んだ記憶さえなければ「忘れ物…?」と不思議そうな瞳を彼へと向けながら聞き返すけれど、忘れ物であると念押されてしまえばぽかんと瞳見つめたまま固まること数秒。もしかしてこれは──。用件が済みそれじゃあこれで、と帰ってしまいそうな彼に、はっとして逃がすまいと彼のジャケットの袖を軽くつまんで )
えっ、まさかもう帰っちゃうんですか…?
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