匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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( 『明日の放課後、時間作れますか?少しで構わないので』から始まり、『じゃあ、また明日』で終わっているトーク画面を閉じれば、丁度終業のチャイムが背にした校舎から聞こえてくる。バレンタインから丸一ヶ月、ホワイトデーと呼ばれるこの日にクライアントの通う高校に赴いたのは、無論受け取ったチョコの返礼を渡すためで。贈られたのが義理相当のそれだったのなら一月も持ち越すことなく当日渡した〝感謝のしるし〟で手打ちだろうが、あれだけ気持ちと気合いの入ったものを貰ったのではそういうわけにもいかない。ブラウンチェック柄でダブルボタンのツイードテーラードジャケットに、下はスラックスとやや厚底のローファー、そして手には紙袋を携えて校門脇で一人の女子生徒を待てば、じきに構内からは高校生達の元気横溢した声が響きだし )
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