匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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あ…、すみません、よろしくお願いします。
( 彼女から彼への要望にはもちろんアシスタントである自分が名乗り出るけれど、一心不乱にともいえる集中力で只管にメイクを施していた彼は集中力を断ち切られたからか、構わないといったように要望に応えて。指示にこくりと頷きつつ、部屋を出る彼に申し訳なさげに会釈して見送ると、ヘアセットのためにコテやヘアアイロンを取り出し電源を入れる最中、『ね、永瀬ちゃん』とふいに声が掛かる。「はい」と彼女へにこやかに視線を戻せば、本当に唐突に『永瀬ちゃん、彼のこと好きでしょう』と楽しげに双眸を緩ませながら詰め寄られ。穏やかな瞳ながら狙った獲物は逃がさないような力がある。第三者にバレてしまうなんて、どれほどわかりやすいのだろうか。頬をかあっと赤く染めあげながら動揺の色を見せては「待っ…えぇっ、わ、わかりますか?」『わかるよ、恋する乙女の顔してる』と楽しそうに三日月に瞳と口元を緩める彼女とは反対に、はわわ、と焦るように両頬を包むように手を添えて。ふむ、と解析するように横へ視線をずらしては『でもあれはなんていうか、ちょっと鈍いタイプね─…鷹を括ってるというか。でもめげちゃだめよ、私にはわかる。ひたすら押していきなさい!』と最後にはウィンクを決めてアドバイスする彼女に、きらきらと瞳を輝かせながら両手は拝むかのようにして「ひゃあ…っ玲ちゃんからのアドバイス、しっかり胸に刻みました…!あっ、玲ちゃんだなんてすみません…でも実はわたし、小さい頃からすごく憧れてて…っ!」なんて興奮気味に暴露する中、さして遠くない廊下の自動販売機から彼がそろそろ戻ってくる頃だろうか )
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