匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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みな──永瀬さん、スキンケアの準備を。
( 傍の少女ほど分かりやすくは表出しないものの、この職に就く以前から何度も媒体越しに見ていた顔と視線が交わるのは新鮮な心地で。張り切った様子でてきぱきと準備を整えたアシスタントに次の指示を出すと、己は顧客の前へと進んで肌の状態をつぶさに観察する。目立った粗のない肌は若々しく滑らかで、10代と言われても違和感を覚えないのではなかろうか。化け物じみてすらいる美貌に改めて敬服する折、大人しくしていた相手が不意に身動ぎしたかと思えば、ほっそりとした食指がマスクで隠れた自身の鼻先へととまり。突然のことに目を丸くしてぴたりと動きを止めたなら、ややあって「…ふふっ」と悪戯な息遣いが前方から洩れ、口角の上がった唇から「打ち合わせの時から思ってたけど、逆巻さんって猫ちゃんみたいですよね」と楽しげな声が発せられて。「はぁ…」と困惑する此方に構わず「うちで飼ってるんですよ、猫」なんて嬉々として話を続けだす彼女に調子を狂わされてしまえば、立ち上がってワゴンの方へと戻る最中、通り過ぎさまに弱った小声で基礎化粧品の塗布と話し相手を依頼人のファンに託して )
…お願いします。普通に塗ってもらえればいいんで。
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