匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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──…目、閉じて、…開けてください。
( 外れた視線に安堵すると、普段彼がそうするように色白な肌にコットンを優しく押し当て肌の土台作りから取り掛かり。間近で見ても耐えうる肌はベースメイクのノリも良く、薄付きでいいくらい。時折動作の指示をしながら、アイシャドウにはくすんだピンクブラウンを選んで大人っぽいけれど少し甘みを足し、チークは落ち着いたフォギーローズをブラシで薄く乗せ。最初こそ視線を気にしていたもののメイクに集中するあまり、いつからか見られていたとしても気にならなかっただろう。順にメイクを施し、やがて「あとはリップ塗るので、えっと…目閉じててください」手の甲に一度置いて色味を調節しながら指示をしたことで彼が瞼を伏せたなら、唇へ触れることに一瞬緊張が蘇って手が止まるけれど、メイク前の言葉が頭を過ることで落ち着きを取り戻ひ再び動かした指先で内側から滲み出るような血色感を与えていくと。可愛くできた、と頬を緩ませた時〝誰も見てないすよ〟とまた言葉を思い出す。──逆巻さんさえ、今は見てないのだ。微かに色の残る指先をそっ…と自身の唇に移してみた、途端。何してるんだろう!と、かあっと頬が火照り。すぐに背を向けコットンで指先を拭いながら、双眸をぎゅっと瞑って自戒に囚われつつ彼に確認を頼む声を掛け )
…っで、できました!目の前に手鏡置いてあるので、確認してもらえますか…?
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