花詠み 2023-02-26 13:52:45 ID:f4a4a17f9 |
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>41 カーメル様
隣に腰をかける彼女の顔をちらりとみれば、何やら腑に落ちないような表情をしている。
酒というものがわからないか、肴にぴんときていないかのどちらかだろうとあたりをつける。
どちらにせよ、酒とは縁遠い人生だったのではないだろうか。
彼女が飲みたいと思った時に口にすればいい。
ここで自分が勧めるのは粋じゃない気がした。
「はは、綺麗なのは事実だろう?花憑きってだけで美しさに磨きがかかるけど、君はそれを抜きにしても綺麗だよ」
彼女の褒められ慣れていない初々しい反応を堪能しながら、さらに褒め言葉を畳み掛ける。
己からすると褒め言葉、というよりは事実を述べているだけなのだが。
勘違いするならそれもよし。
ヒトにはそういう駆け引きを愉しむことも必要だろう、と彼女の髪を一房手に取る。
あまりにも初心な反応が愉しすぎて、悪戯心が刺激されてしまったようだ。
いっそのこと勘違いしてみるかいなんて、色香を含ませて囁いてみせればどんな反応が返ってくるのやら。
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