匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
── …えぇ。
( まるで本物の王子様のように、長いまつ毛を伏せて自分の薬指にそっと口付けを落とす彼女を見て、うっとりと瞳を蕩けさせる。自分の左手の薬指に場所を落ち着けていいのは彼女とのリングだけだし、それ以外をつける気も予定もサラサラない。スマートな仕草でそのままエスコートをしてくれる彼女にまた性懲りもなく何度でもときめけば「 そうね、湯冷めしちゃう前に戻りましょ。 」と彼女の手を優しく握り返しながら自分たちの部屋へと戻り。 )
【 西園寺 奏 】
っ、…。
( ぎゅ、と手を引かれて彼に抱きしめられる。飲み会などでふざけて男に抱きしめられることはあれど、こんな風に胸を締め付けるような痛みが伴ったのは過去に一度もなかった。それと同時に、体の底から熱が沸き上がるような感覚も。恐る恐る、と言ったように自分もきゅ、と彼の体を抱きしめ返せば「 うん、俺も君の…類くんのことが好きだよ。 」と彼の肩口に顔をうずめながら、ぽつりぽつりと小さいながらしっかりとした声で答えて。自分とさほど身長は変わらないはずなのに自分よりもずっと筋肉のついたその体は暖かく、奏はそれに甘えるように無意識に身を寄せて。 )
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