匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
うふふ、プレゼント交換みたい。
( この旅行に来てから、なんだか学校で見るいつもの彼女とはまた違った彼女の一面がたくさん見れてるなあなんて思わず表情が緩んでしまう。いつものスマートで格好いい彼女のことも大好きだが、こうしてたくさん笑ってわがままを言ってくれる彼女のことも大好きだと相も変わらず自分が彼女に首ったけだということを自覚する。会計を済ませ、すぐ使いますだなんて言って包装等をしないまま店員さんからブルーベースのブレスレットを受け取れば「 …ずうっと私の隣にいてくれますように。 」なんて彼女に聞こえないように小さな声でブレスレットに言葉を落とす。ちゅ、とそのままブレスレットに軽くキスを落とす姿は、絵本の中で王子様がお姫様を呪いから目覚めさせるキスによく似ているが、今回に至っては`お姫様が王子様を縛る呪いのキス`だ。この呪いは簡単にはきっと解けない。だって魔女じゃなくお姫様がかける呪いなんだから。桜華は売店から少し離れたところで彼女の会計を待てば、早く彼女にこのブレスレットをつけてほしいな、と自然とふわふわ笑ってしまい。 )
【 西園寺 奏 】
…ん、なあに?
( 美しいその風景を眺めていると、ふと視線に気づいて彼のほうへ顔を向ける。此方を真っすぐに見つめる夜空を思わせるブルーブラックの瞳と目線が絡めばくす、と優し気な笑みを零しながら首を傾けて。彼のその瞳に籠った熱情が何を示しているかは一目瞭然なのだが、奏はそこから先には進めない。男性同士ということに偏見があるわけでもない、彼はとても素直で人としても尊敬できる素敵な人だ。年齢的にだって犯罪という訳でもない。…だけど、大学生なのだ。普段大人と関わる機会がなく、憧れを恋愛感情だと勘違いしている場合だってある。もしも彼の好意に甘えてそういう関係になったとて彼が社会を見た後に自分から醒めてしまうかもしれない、だなんてありもしないもしもに怯えているだけだ。奏ではそんな自分らしくもない弱気な気持ちを胸に隠せば、「 そんなに見られたら穴が開いちゃいそうだ。 」なんて笑うことしかできずに。 )
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