匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
わあ、…。
( 彼女と手をつないで歩くのが桜華は好きだった。目は口程に物を言うとは言うけれど、手も同じのようでなんとなく彼女の考えていることがわかるから。心の底から自分を大切にしてくれているという実感が湧いて、思わずうふうふとほおが緩んでしまう。旅館内でもやはり観光客は自分たちのほかにもいるようで、今はやりの女子旅だろうか、女子高生が女子大生くらいの若い女の子たちの視線は紛れもなく自身の隣にいる彼女に向けられていることに気づき思わず繋ぐ手にきゅ、と柔く力を込めて。通りかかった売店に並ぶお土産の数々を見れば感嘆の声を漏らし、特に何かが欲しいという訳でもないがやはり見慣れないお菓子だったり郷土品のようなものは目を引いてしまうようで。「 いろいろ売ってるのね、 」なんて色んなものに視線を奪われてしまえば、隣の彼女の見上げてふわりと微笑えみ。 )
【 西園寺 奏 】
……うん、いいよ。出ようか。
( 彼からの提案に変わらずふわりと穏やかな笑顔を浮かべては、慣れた動作でカードを店員に渡して会計を済ませてしまい。男同士とはいえ、自分は年上だし社会人なので。あと妹たちのわがままに付き合わせてしまったお詫びということで。店員に丁寧に店先まで見送られ、先ほどよりも人がまばらになった温泉街を歩けば「 さて、…このあとはどうしようか? 」と変わらず穏やかな笑みを浮かべつつ、緩くウェーブがかった艶のある黒髪を揺らし首をかしげて。彼がしたいことがあればバーでもなんでも付き合うし、もしないのであればせっかく良い旅館に泊まっているのだから旅館の一室でゆっくりするのもいいだろう。…狡い言い方かもしれないが、あくまで主導権は彼にあるんだと言いたげなヘーゼルの瞳は相も変わらず穏やかで。 )
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