主 2023-01-25 22:43:22 |
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>アラン
(空気の震えと速まる心拍数と怯えが呼吸を浅くして僅かに上げる体温、ピン──と張り詰めていつ千切れても可笑しくない糸のような緊張感が彼と視線を交わすだけで伝わった。怯えたまま頭を下げるその姿は戸惑いの中でも姿勢が良くて、失礼にも[プ!ハハハッ]と肩を揺らして喉仏が見える程の大口で豪快に笑い飛ばし「なーんだ、じゃあオレの飯じゃん。一匹食っちまったからちょーどいいや。…少年!食うまで宜しくなあ!…ン?アレンだっけアランだっけ?どっちでもいいや、まあよ、ココに来ちゃったんならしゃーないべ、諦めな。」下げられる頭に大きな手を添えれば強い力でガシガシガシガシと掻き乱すように撫で回して。自らの手にはまだ先の食事の赤が乾かずに濡れたままついている事にも気にせずに遠慮なく触って。食欲を掻き立てる美味しそうな栗色に擦りつく赤色に満足してから手を離して。説明と言うには不足過ぎる理不尽を楽しそうに屈託ない表情のまま伝えると、人差し指と中指を立てた呑気なピースサインを出して)なんつーのかなあ。少年は俺が飽きるまでココで生きて、飽きられたら飯になるっつう感じ。あ!もう畑仕事なんかしなくてイイからラッキーじゃん。喜んどけよ。
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