主 2023-01-25 22:43:22 |
通報 |
>シャロン
お、……ぅ、痛ッ……残念な事に君以外の肉食には出会ってないかなあ。
(桜色の愛らしい瞳とかち合い自然と釣られて小首を傾げた刹那、両頬を包む柔らかな掌と鋭い爪先が皮膚を突く痛みに僅かに瞳孔を揺らしてくしゃっと眉間に皺を寄せ。思考を巡らせるもの目覚めて出会ったのは後にも先にも彼女だけ。その述べる言葉の意味を探るに何者かが此の居館に存在しているのは確か、然し動物を名乗る者の正体を突き止めるには足らず、様々な意味合いを込めて彼女を含め彼等の事を”肉食”と総称し。若い女性から向けられる視線はどうも良く知る好意とは別の熱烈を浴びている感覚、食の対象とされているなど夢にも思わず若干の居心地悪さを感じつつも表情には出さず片眉を持ち上げて肩を竦める真似をし。そっと手の甲に一回り、二回り程大きな己の掌を重ねる様に掴むと痛みの根元を除くべく片方ずつ剥がし彼女の太腿辺りに重ねて置けば、その上からぽんぽんと慰撫を。唐突の派手な娘の登場に随分と意識を持ってかれてしまっていたが、他にも疑問を向けなければならない事は多々ある。未だに残る頭痛に時折眉間の皺を濃くさせながら、琥珀色の虹彩を縮小させて瞳を細めれば酒焼けの低く深く何処か色めかしい声色で言葉を綴り「どんな風に可愛がってくれるのか楽しみにしておくよ、ところでさ______此処何処?」一番の率直な質問、ようやっと正常な投掛けをしつつ少しばかり赤みを含んだ頬を摩り、彼女の目線から視線を周囲へと移しては伸び切った脚を屈曲させて胡座し。不意にぐあ、と大きな欠伸をすれば赤い舌の上でキラリとピアスが光り、カチッと歯と歯の打つかる小さな音を立て。)ああ……。そうそう、酒屋で潰れて、その後どうしたんだっけ。こんな大富豪が住みそうな場所に寝転がるってさ…俺もしかして誰かの事襲っちゃった?
トピック検索 |