( キングズベリーの扉!──火の悪魔が高らかに告げると同時に、ドアを開いて本降りの首都から帰還。戸を閉めても尚くぐもった雨音が微かに聴こえる。魔法とは便利なもので、「急に降られちゃった」と呟きながらも肩口や上着の裾に残る雨粒を軽く払えば、雨に打たれたことなど嘘のように髪も衣類もすっかり乾いて ) ソフィー、ただいま。約束通り手紙を届けてきたよ。彼女、読む前からすごく喜んでた。