スレ主 2022-10-11 10:07:36 |
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【洋館/大食堂1/ベンジャミン・サイクス】
???「!!魔術か…よ…せ、止せ、もう…十…分だ―“力の使い処”を…間違え…るな。」
サイクス「………………」
(変身)した彼(紗龍)が駆け寄り、声を掛けながら何かしらの手を施そうとするのを察した麻袋から抜け出てきた何者かはそんな彼(紗龍)を制止する様に掠れた声を振り絞り意味ありげな言葉を発する。
向けられた燭台の明かりに照らされて見えたのは千枚通しにでも数え切れないほど貫かれた様な壮絶な有様の傷を負った――生きているのが不思議な程の致命傷を負った一人の男だった。その男の無事な右手に握られていたナイフも刃先が欠けている。
???「おれ…たち…は、失敗…した――“夜明け”を…迎…え、られ…な…かった。」
サイクス「……何か望みはあるか?」
???「…“これ”…を」
そう言って、このひどい有様の男は自分の胸ポケットを折れたナイフを放した右手で示して
???「持って…い…け」
それだけ言うと、血塗れ穴だらけの男は事切れる。
――――
ジャキャ!
サイクス「誰だ!?」
この誰かも知れない男の最期を看取っている間に丁度後方から血の匂いを辿り近付いて来ていた水色髪の少女(スズナ)に自動拳銃の銃口を向けて誰何する。
≫紗龍 、スズナ
【洋館/1F 南側通路付近/エディー・ドンブラウスキー、???×1(ドア越し)、巴マミ】
「…(視えなかった)だけで“最初から其処にいた”とか――?、そ…それよりその血―アンタ頭から被ってたけど大丈夫?っ!駄目だもう――わっ!」
現状の物的な証拠からの自身の推測を口にする銀髪の美女(シズナ)と、それに多少興味を惹かれたのか背中でドアを押さえながら余裕は無いながらも其れに多少なり思った事を付け加える小太りの青年(エディー)、そうして(ナニカ)の相手を引き受けた、ドアから離れろと、只の品では無いのであろう一振りの大太刀を手に狩人宜しく鋭く好戦的な視線をドアに向け構える彼女と、とうとう抑えられずドアから脇に押し退けられる形で結果的に離れる形になる青年。
無理やり叩き開かれたドアの向こう側には先程青年がリボルバーを一発撃ち込んでも、腹に穴を開けて血が多少出た(だけ)に過ぎなかったよれよれのスーツに顔面蒼白の男の姿…見ての通り歩き回る死体(リビングデッド)だの(ゾンビ)だのの類にしか見えないソレは、ゆっくりと彼女(シズナ)に向かって両腕を突き出しながら緩慢に歩き出す。
白濁した目には何も映しておらず、そこから感情の類は感じられない。
――その一方、ドアスコープから廊下の様子を見ていた巻き髪の少女(マミ)は二人の人(シズナ、エディー)を認識して漸く他の誰かを見つけたという安堵感と共に客室のドアを開けて二人の後方に出て声を掛けようとするが…
床のヒトガタの血肉と化したよく分からない屍と――ドアを破って侵入し、銀髪の女性(シズナ)と対峙する(動く死体)を見て一瞬目を白黒させてしまう。
≫シズナ
【洋館/1F書斎/ベン】
ベン「………………………」
しゃがんで窓を塞ぐ形で書物棚を動かしていた際に、突然(何の前触れ)も無く感じた何者かの気配に、(動く死体)の類と判断したオフィスワーカーの黒人系アメリカ人はゆっくりと立ち上がると其方へ無言で先程手に入れた水平二連散弾銃を構える…
銃口の先には周囲の様子を把握しようと周りを見回している一人の負傷している様子の男(ルキノ)
チャコッ
ベン「お前――何時(いつ)から其処にいた?」
散弾銃を構え先ず警戒するオフィスワーカーが問う質問は一つ…しかし本人(ルキノ)が答えられるとは到底限らないだろう。
何せ此処(洋館)へ飛ばされ・迷い込むモノの選別はとてつもなく無節操なのだから…
【洋館/1F客間/???】
仕事の依頼(クエスト)達成後に仲間と共に己が職場(ギルド)へ戻っている最中に迷い込んだ腕利きの魔導士――
気絶とも寝ていたとも言えない奇妙な感覚があるかも知れないが(迷い込む・飛ばされた)者たちの来たばかりの状況は千差万別だ。
カチッカチッカチッカチッカチッ…
古びた、しかし何処か貴族の館の様な洋風の客間、備え付けの大きな時計の秒針が時を刻む規則正しい音だけが鳴り響いている。
――
いやに静かな中――じっと(何か)の視線が彼(グレイ)に向けられる、視線を感じる先は部屋の中の観音開きのワイン棚の中からだが…
≫グレイ
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