匿名さん 2022-09-06 09:49:48 |
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夜に、ですの?
いったい何を…──セ、セシル様?あの、その……私の思い違いでなければ、えっと………そ、そういう事、ですの…?
( そういった事は初夜にて経験を済ませているため、相手の顔を見て少しばかり考えを巡らせてみれば可能性のひとつとして浮かび上がり。少し前の自分であればこのような甘い宣言をされたとしても考えが至らず、きょとんとした顔で見当違いの答えを自己で出していたことだろう。淑女としてそういった事を考えてしまうのはやはりはしたなく思ってしまうが、どこまでも純粋な性格だという事を考慮したうえでみれば大人になったのだと思って頂きたい。夫婦であればむしろそのような時間は必然的にできるものだが、いかんせん耐性が無さすぎるがゆえ、つねった後の赤みとは違い頬全体がじわりと赤くなっていき。はしたないとは分かっていても、念のための確認だと自分に言い聞かせながら恐る恐る、しかし無自覚にほんの少しの期待の混ざる声色で、周りのメイドには聞こえない程度の声量で問いかけて )
い、いえ!本当に少し……じゃなくて、かなり!メニューはかなり減らしてますわ!あくまで健康を維持する程度ですわ!
( 彼の神妙な言い方にハッとし、やってしまったと言わんばかりに慌てて先程の言葉に訂正を被せて。それもそのはず、昔から次期王の婚約者候補として周囲の目があった。その中で人目につかないよう運動ができていたのは、独身だったからこそともいえるだろう。実家であったり、寮でも自室であったりと、自らを隠すことはできていたのだから。それが今は結婚を済ませた身。さすがに人目につくような場所でハードなトレーニング…『うさぎ跳び』はもとより『マラソン』などもできないとはいえ、そもそも王太子妃が体を鍛えているというのは少しお門違いな気がしなくもない。しかしそれでも何とかこっそり続けていられたのは、それを知るのが常に側にいるクロのみだったからだろう。だがついポロッと、口から溢してしまった事でたった今知られてしまった訳なのだが。怒られる、もしくは幻滅させてしまったかと青い顔をしていると、聞こえてきたのは体の心配をしてくれているという言葉で。確かに彼の言うことは一理どころではなく、前世の世界ではその労働環境ゆえに倒れてしまった人々を知っているような気がする。それに気付くと、目を伏せて申し訳なさげにしょんぼりと反省の意を述べて )
う……も、申し訳ありません…。セシル様の仰る通りですわ…。確かに私、自分の体と心を過信していたかもしれません……。甘い考えで、自分の限界を見誤らないようにいたします…。
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