月の引力 〆

＞16 小狐丸＞三日月宗近


おお、やっと来たか。ぬし様に菓子を頂いたのじゃが、一人分では無さそうでな…待っていたのじゃ。

（ 陽射しが穏やかに射し込む縁側の一角、柱の側に腰掛けていれば通り掛かった主に茶菓子にと手渡されたのは かすていら と呼ばれる茶菓。刀剣男士として顕現されてから同じ三条の刀を数々見てきたが、己が隣に待ちわびるのは瞳に月を浮かばせた美しきその者だけ。早う来い、と内心ではソワソワしながらたった一人のその男士の訪れを待っており。不意に声を掛けられれば、野生であるこの耳はその声だけを捉えるかの様に反応する。己への恋心を愛らしくもいじらしく伝えてくるその行動全てに愛おしさを感じる三日月、その返答を楽しみ待つかの様に思わせ振りな言葉選びを返しながら自身の隣をポンポンと軽く叩いて。 ）


＞16 鶴丸国永＞三日月宗近


（ 本丸で生活していれば当然の如く回ってくる内番の一種、厨当番。朝餉・昼餉・夕餉ともう一振りの刀と共に行う厨仕事では驚きも少なからずあり、本日も乱藤四郎と共に夕餉の下準備をしていた所、菓子を作るというので出陣した隊がまだ帰還していない事もあり手伝いを申し出て。主から教わった、という菓子は現代の色鮮やかであったり仕掛けを施した物ばかり。これは丁度良い、と作った菓子を教わりながら自身の分も作り。ふと、出陣組が帰還したという知らせを受けては先程拵えた菓子と茶を盆に乗せて向かったのは己が一番驚きを与えたいと日々四苦八苦する男士の元。縁側に着くと、想像通り其処にいた男士に明るい口調で声を掛けて。そのまま隣にどっかりと腰を降ろせば、盆を置いてニッと挑戦的に笑い。 ）

よ、お疲れさん。いや、お帰りと言った方が良いかい？
乱と一緒に作ったんだ、今日こそ驚いて貰うぜ。


（／初回有り難う御座います！凄く絡みやすく、想像しやすくて助かりました！
あと、小狐丸ですが…アニメやミュでは敬語で話すんですが、原作っぽく頑張ってみました。もし、敬語の小狐丸が好きだっ！という場合は次には即戻しますのでお申し付け下さいませ！）