匿名さん 2022-08-22 14:39:33 |
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ご苦労。
(平常を装えるようにと言葉は出来るだけ短く答えながら目のまえに並べられた料理に視線を移し。パンに紛れてほんのり香るレモンの匂いに食欲がそそられる。テーブルの上のカトラリーからフォークを手に取れば先ずはサラダにと手を伸ばして。サラダの次はスプーンを手にしスープへと黙々と食べ進めながらふと思った。
御狐神くんは先程吐き捨てた僕の言葉を恋愛の意味でとっていないのだろうか。彼からは一向に動揺を感じない。何時もの優しい声。..ずるい男だ。僕は内心こんなに動揺しているのに。それとも....御狐神くんも実は僕のように動揺した感情を心に秘めたりしているんだろうか。だとしたら動揺しているだろうと図星を指されれば慌てるはず。偶には慌てる彼の姿も目にしたい。僕ばかりどきどきさせられるのは御免だ。それに、仮に彼が動揺していないと返したとしても「そうか。さっきの言葉で少し君を揶揄ってみたんだ。が、やはり君に冗談は通じなかったみたいだな。」と言えば僕も動揺せず且つ僕も本気であの言葉を言ったわけでは無いと伝わるし、余裕を保ちながら済ませられる。一か八か試してみるか。
スプーンを机上に置き彼へと視線を向ける。緊張した思いを隠しながらこう尋ねる。)
..さっきのエレベーターでの件。あれを聞いて君、実は動揺しているんじゃないのか?
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