匿名さん 2022-08-21 15:03:38 |
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っごほ、……お前、そんな殊勝な事言ってると損だぞ。……まぁいい、その内目立った嗜好が出来れば言え。多少は考慮してやらなくもない。
(己の説明に一応腹落ちしたらしい相手の潜在する魔力量の多寡については少々気にかかる所ではあれど、例え本当に平均値から外れたとてさした程度でもあるまい、と安易に思考を結んだ所で。それまでの印象からさぞ慎ましく淡々と食事へ手を付けるかと思いきや、明らかに性急な手振りで成長期も真っ只中の胃へとせっせと食物を運ぶ様に面食らうと暫し静止して。元々他者へ食事を提供する喜びはおろか、共に食卓を囲う和やかさすら録に覚えのない身とはいえ、何やら満更でもないような情感に間が悪くするりと入り込まれたのが悪かったか。此方がまごつきつつ投げた問へ返る純朴な解に、ふ、と思わず柔く綻びかけた口元を咄嗟に咳払いで抑え。他者を必要以上に寄せ付けぬよう染みついた偽悪的な仮面を慌てて付け直すと、やたら威圧的に足を組み低く放った尊大さの割に内容自体はそうでもないのはさておき。食いながらでも聞け、という軽い前振りの後、ようやく本題を切り出して。「少し手違いもあったが……とりあえず差し当たって、お前にはここで暮らしてもらう。そう条件の悪くない引き受け先を探してやるから、それまで適当に……、……いや……」元より自身と相性の良い大樹を少量削り、魔法で実際よりも空間を大幅に拡張させた異空間染みた住処。相手の部屋を新たに生成する事など造作もないが、そう長い居住でもなければ一時的に客間の方で過ごしてもらう事になるまでは良いとして。朝から瞠目させられた情景が中途で脳裏を過ぎっては、録な命を下さず客室の隅で比喩なく昼夜埃を被られていても困る、と急遽話の方向転換を。少々思案するように眉根を寄せ逸らしていた視線をややあって対面へと戻すと、値踏みするように細められた鋭い金眼はまるで一層の冷淡さを湛えるようで)
魔道具や書籍の管理も煩雑としてきたしな……一先ずその辺りの仕事をやる。……他、何か出来る事や、得手不得手は。
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