匿名さん 2022-08-21 15:03:38 |
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……リヴィオ様。僕、魔法は使ったことが――
(目顔だけで尋ねた問いに返るのは、見上げる双眸に宿らせた期待を遙かに上回る熱弁。魔道具の用途から歴史、価値までを一息に語ってしまってから後悔の念に襲われたと見える相手が咳払いで話に区切りをつけると、無知者なりに興味深く耳を傾けていただけに肩透かしに次いでお預けを食ったようで口の両端が微かに力み。しかしただでさえ仕事の説明を差し置いての用件の最中、魔術を知悉している主人の講説は腰を据えて聴く必要があるだろうし、彼の言う通り今がその時ではないことは弁えていて。知識欲からそっと手を放し、引き結んだ唇の緊張を意識的に解けば、魔力測定の実演に移った伏し目に倣って水晶玉に注目する。既視感のある形象に、初め柄の悪い冒険者達を完膚無きまでに叩きのめした幻の火球に酷似したそれを、当時と類同の魔術で内部へと出現させてみせたのかと直感するも、聞けばそれ自体が可視化された魔力であるらしく。彼の誇り高さを表すかの如く赫灼と燃える擬似の太陽に見入ったなら、先刻の前置きから自身にその位置が譲られるのは当然の運び。静かに進み出て再びグラデーション豊かに光を洩らす測定器と対峙すると、鼓動が速まるにつれて浅くなる呼吸が感じられて。〝妙な気配〟の正体が稀に存在するという魔力を一切保有しない人間に対する違和感だとしたら、魔術師である主人の伝手で収集された仕事が全て魔術を扱えることが最低条件であるとしたら。地下室の整理より優先されることや意味深長な指示に悪い想像ばかりが過る中、真の懸念がそこに含まれないのは偏に学殖を持たぬが故。真似て球体の上部に手を翳してみても何やら珍妙な文字が浮かび上がるばかりで、それらしい物質が顕現しないと見るや否や、早合点して罪の告白でもするかのように悄然とした声音を吐き出し始めた――刹那。水晶玉が強く発光したかと思えば、爆発的な速度で雨粒の跳ねる水面さながらに床面へと数多の魔法陣が開きだし。際限なく広がってゆくそれは地下室の壁を超えて何処まで達しただろうか、地中深くに眠っていたマグマが噴き出すように、次々と巨大な氷柱が突き上げて)
(/返信の期限延長に関しまして、ご許可と寛仁なお言葉をありがとうございます……!大変お待たせいたしました。展開につきましてもロルで精到に筋道を示していただいたため、同様の想定で居りました。が、暴発の仕方がご認識と違っていたらすみません……。もし魔法陣の発動前に対処される等でしたらその後の描写は無かったことにしていただいて大丈夫ですので、どうぞご随意になさってください。また、今回はミシェルの台詞に敢えて〝魔法〟という単語を選ばせていただきましたが、世界観として〝魔法〟と〝魔術〟に明確な区別はございますか? すぐでなくとも構いませんので、ご回答の程よろしくお願いいたします……!※蹴り可)
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