ビギナーさん 2022-08-20 17:26:05 |
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は、はははっ。
(押し倒されて痴態を演じている自身に乾いた笑いが込み上げてきた。最後の闘諍は大分前のことだが、私はこれまで彼との喧嘩を何度か経験している。相手を力一杯に殴り、そして思いっ切り殴られる。命を落とすことも度々あった。しかし、同じく己を曝け出す行為と言えど、愛撫は似ているようで違った性質を持つものでは無かろうか。体が相手の色に染められていくのを、素直に悦んでいる。そして体中が傷だらけになっていくのは快感で、荒療治にも思える所行も、ねちっこく物分かりが悪い私にとっては丁度良かった。
相手に頸筋を噛みちぎる勢いで吸いつかれたので、痛みと快感が脳内に駆け巡ってきて無意識に背中を反っている。蝶とそれを誘い込む甘い蜜のように、このまま依存関係になってしまえばいい。
荒い息を途切れ途切れに吐きながら、「想像以上だよ。はぁ、……君でないと満足できない体になってしまったみたいだ」と死霊のような未練がましさをもって呟く。ゆっくりと舌を舐めずった後、相手の首筋に喰らい付いて疵跡を残し)
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