…こうもしないと、振り向いてくれないだろう? (珍しくも寂しげな口調で、ぽつりと打ち明けている。普段の貴利矢は掴みどころがなく本心が分からない。そのため、此方に向ける愛情表現は真か、本人はそれを確かめたいようであった。口内を相手の思うままにすっかり懐柔されて恍惚し、「これ程までに欲してしまうとは…私らしくない」と自嘲的になっていて、抑えていた腕の力が弱まり)