さすらいの旅人さん 2022-08-02 18:53:14 |
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( / お声がけした2450です、遅くなってしまい申し訳ございません。此度はこの様な機会を下さり、誠にありがとうございました。こちらの返信ペースはまちまちではありますが、事前の断りなく三日以上お待たせすることはないかと思います。ご検討宜しくお願い致します。)
――ふ、その割に手元は確りしているな。怖気づいているのなら私の後に続けばいい、震えているのがお似合いだ。
( 異例の速さで築き上げた学歴。権威ある学院からの推薦状に、金だけなら腐るほどある実家からの後ろ盾。くわえて少女と見まがうほどにまだ年若い女、それでいて生まれながらにこの尊大な口ぶりだ。『 機関 』本部のお上にとって、なまじ才能のある己は目の上のたんこぶだったのだろう、こうして実地に放り込まれる運びとなった。それ自体は別にいい、己としてはかねてから最前線に出たくてたまらなかったので願ってもない話。しかし数名の同僚と実家の次兄がこの成り行きに黙っておらず、固定の護衛を無理やりつけられる羽目になった。事前に資料を拝見すればなんと若くして重罪人とある、いったいどんな暴れ馬を体よく押し付けられるのやら。そうして今日このときまで相手の如何を訝っていたが、寂れた廃ビルの瓦礫の中、前を行く男の動きには一切の無駄がなく。減らず口を叩いてはいるがいつでも交戦可能な構え、纏う空気に油断はひとかけらも見当たらない。これは思わぬ掘り出し物だ、とにんまり唇に弧を描き、愉悦に紛れて微かな賞賛の滲んだ揶揄いを。ここに出る怪異の危険度はおよそ見当がついている、護衛の実力を見極めるのに試金石として引き寄せてもよかろうか。くいと顎を上げ、つかつかとブーツを鳴らして歩を早めると、態と煽りを込めた声を通り過ぎざまにかけていく。そのまま護衛の横をするりと追い越しては、曲がり角の先に出て )
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