匿名 2022-07-20 22:19:23 |
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___…はい、ご主人様。( 可決を宣言する声で見惚れていた自分に気が付けばすぐさま視線を下げ、不躾に見詰める視線で不快に思われぬよう壇上へと昇ってくる彼の足元より下から視線を上げぬよう心掛けて。諦聴しようと彼を追った耳が金属音を捉えれば次の瞬間、ふわりと全身を覆ったまだ体温の残る柔らかな羽織。登壇してからずっと晒されていた値踏みするような下品で賎しい視線がその布によって遮られれば、次いで発せられた視線を叱咤する声に諦観していた眼差しに希望の色が微かに滲んで。喋る許可のない状態での移動を促す命令には気分を害さないよう、無駄な言動は控え必要最低限の言葉だけで応えて。羽織によって視線の上部が遮られた状況下、従属を示すように相手に並ばず数歩後ろを足音一つ立てずに歩みを進め、彼の背にて揺れる闇色の髪を漠然と目で追い掛けて。)
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