つばさ 2022-07-17 23:45:06 |
通報 |
〈サンプルロル〉
海に行きたいってやつは、放っておけなかった。
(水平線に沈んでいく夕日を背景に、あたりに響く静かなさざなみの音を2人で並んで聞いている。車椅子の少女の面倒のバイトを始めてから1ヶ月が経とうとした頃、その少女の無理難題に呆れ果て、辟易しきっていた。1ヶ月分の給料をもらってそこでやめよう。そう決心して、雇用主にそのことを伝えようと決めていた日。その日の少女の要求は、ただの外出なのに、今までの無理難題とはどこか重みが違っていた。何を今更、バカバカしいなどと思ったが、その少女の儚くも覚悟を秘めたような表情を見て、蔑ろにしたくなかったことを『なんで連れてきたんや。』と問いかけてきた少女にそう述べながら、潮風に髪を揺らして。)
トピック検索 |