noname 2022-07-12 00:34:54 |
通報 |
( もしも違う時代に生まれていたら。その類の空想を誰しも一度はしたことがあるだろう。ミスター・アントニン・マシュコフ。夜の繁華街を煙草片手にひとり寂しく歩いているこの男もまた、その空想に魅了された一人だった。60年前。おそらく、それが彼にとっての"違う時代"を指すに違いない。ソ連がアメリカとの宇宙競争に勝っており、東側諸国が崩壊しておらず、バーを紫煙で充満させることが許されていた時代。しかし今となってはどれももはや不可能に近い。最後のことに関して言えば、チェーンスモーカーにとっては特にきついものがある。と、近頃はそのような考えが頭の中を占めるようになってしまっていた。いまが閑散期で、仕事の依頼が全く入ってこないことも関係しているのかもしれない。最近のやることといえば、近くの食料品店の行列に並ぶか、散歩するか、バーに入り浸るか。このような生活をしていたら、悲観主義的思考に陥るのも無理はない。実際のところ、通りが人の波でごった返していなければ今日が週末だということすら知らずに過ごしていたかもしれない。
──そうこうしてるうちに、通りの片隅にひっそりと佇むバーに近付いてきた。この街に越してきてまもない頃、ふらっと散歩している時に偶然見つけた店で、どこか庶民的な雰囲気に魅了されたのだった。煙草を踏み潰して火を消し、扉を開ける。するととそこには見慣れた景色が広がって。週末の夜というにも関わらず店内に人はあまりおらず、中央のテーブル席でチェスをしている2人組と、隅でビリヤードをしている若者が2人、その他に数人がカウンターで酒を飲んでいるくらいだった。慣れた足取りで薄暗い店内を歩いていく。カウンターの端に座ると、バーテンダーに一言。 )
…ウォッカ、ロックで。
──────
初回の投稿、大変お待たせしてしまい本当に申し訳ございません!!こちらもここ一週間はロルを打つことが難しかったのですが、いまはかなり落ち着いてきましたので、今後は安定してお返事ができると思います。改めまして申し訳ございません!
また、駄文にはなりますが初回ロルの方を書かせていただきました。絡み辛いといったようなことがございましたら、加筆修正等致しまのでご気軽にお申し付けください。
私も、二人の物語をこうして主様と紡いでいけるということに非常に胸が高鳴っております…!こちらこそ宜しくお願い致します!
トピック検索 |