名もなき創生者 2022-06-02 20:47:38 |
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> レン・ブライト ALL
ゲダツ「そうだな、青海でも(空島)など与太話の類だと思われる位には知られていないだけに、空に憧憬の情を持つ者は少なくないそうだ。コウクウキ?ヒコウセン?お前の世界では空を飛ぶ絡繰仕掛けが在るのだな…やはり進んでいる。」
そもそもアクセス自体が命懸けである(空島)への渡航の類、それ故に地上と空の交流自体はまだまだそれほど進んではいない(一部限定的な交易が成り立っている場所もあるらしいが)、件の“うっかり”の結果として青海(地上)へ落ちた空の住人としての見聞は、地上では空島の存在自体がそもそも伝説や噂話の類として扱われている事を話すと、彼女(レン)の世界では実用化されている航空機や飛行船の話に興味を示し
ゲダツ「―ふーむ、やはり仕組みは複雑なのだな。―(古代兵器)というのはゴローの受け売りだが、おれが居た世界に大昔に存在していたと言う神の名を冠する強大な兵器の事らしい、おれも詳しい事は知らんが相当危険なモノとの事だ。…まぁお前の<導力魔法(アーツ)>ほど目立つモノでは無いが“空島”の特産品でダイアル(貝)というモノがあるのだがな。」
と懐から何やら巻貝の貝殻を一つ取り出し示す。
スプリングフィールド「貝殻ですね?――」
――
―
スプリングフィールド「その方が宣しいかも知れませんね、物理的な防御機構は流石に施されていないでしょうけどもそれでも危険が無い訳でもないですから…一度目の大戦は(全ての戦争を終わらせる為の戦争)と呼ばれ私達の世界では史上初の国々全体を巻き込んだ総力戦の様相でした、そうして二度目は技術の飛躍的な発展から一度目を上回る強力な兵器群が作り出され実戦投入され…末期には決定的な(核兵器)が開発され最初に使われた戦争でした。―スイッチ一つで容易く国が消え世界秩序が崩壊する恐怖で二大勢力の均衡を保っていた(冷戦)を経て…とうとう三度目の大戦が起きてしまった訳です。――そう言って下さると嬉しく思いますわ。―月並みだなんてとんでもない、それが言えるだけの希望すらかつては無かったのですから。」
一先ず止めておく判断をした少女(レン)に賢明な判断だとにこやかに自律人形は伝えて、彼女の言葉に本当に心から嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
――
ゲダツ「くっ…絡繰仕掛けとは言え大の男が女人に払わせてしまうとは、このゲダツ一生の不覚。」
スプリングフィールド「まあまあゲダツさん、そう落ち込まずに――では換金所に向かいましょうか。此処からそう離れていない筈ですから。うふふ、では私も張り切って腕を振るわせて頂きますね?レンさん。」
やや気落ちした様子の蜘蛛頭の巨漢に気にするなと声を掛けながらスプリングフィールドこと春田は二人の異邦人を先導する様に食堂から通りに出る。―西洋的な街並みながらも不可思議な要素のあるこの土地特有の賑わいの中を歩いて往く。
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