筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 自室へと戻る相手の背を見送れば、此方も頑張るかと居間に置きっぱなしになっていた仕事道具を一度部屋へと戻す。
適当に髪の毛を結いあげれば、画面を開いて、そこからは静寂の中、ひたすらにキーボードを打ち付ける音が部屋中を響き渡る。時々、身を預け椅子の背を軋ませがら腕を組めば、眉間に皺を寄せて難しそうな顔をしつつ、低く唸るのであった。
_ それから暫く時間が経過し、執筆も進みはしたが、再度行き詰まって大きな伸びを一つ。
ちらりと、目につくのはやはりあの本だった。今朝、あんな話をしたものだから、余計な感情が湧き上がってくる。伸びをした後に溜息も共に吐き出せば、静かに立ち上がって部屋を出る。
気分転換でも、といつもの縁側に足を向ければ、あれ程草が伸びきって荒れていた庭も大分すっきりとしていた。
定位置に腰掛け、心地よい風に吹かれながら、鎌を片手に汗を流す相手の背を眺める。)
……麦茶でも、いれるか?
( 少しそうして眺めていれば、満足したのか相手の背に向かってやっと声をかける。 )
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