筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 相手がぽつぽつと話し始めるのを最初は、なんとも思わずに聞いていた。しかし、「父親と違って鋭い」という言葉や、その後に続く彼のこの小説にまつわる恋の話を聞いていくうちに段々と繋がり、彼が好きだった相手というのが誰かが分かってしまった。分かった瞬間に相手と目が合ったが、そこからどこか悲しげな相手の感情が読み取れ。言い残して席を立った相手を目で追う。)
…俺の父さんのことが好き、だったんですか…?
( 恐る恐る聞いてみる。本当は触れない方がいいのかもしれないが、ここまで聞いてモヤモヤするくらいならと勇気を出して尋ねる。同性を好きなことに偏見はない。だから相手が父のことを好きだったとしてもなんとも思わないが。だけど、予想が当たっているとするならば、自分の父親は酷い奴だと思う。相手の気持ちも知らないで、赤ん坊の写真を見せたり、こうやって息子を預けたり。いつの間にかそのモヤモヤは自分の父に対するものへと変化していて。)
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