筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 「 分かった 」と返事を返せば、そのまま自室に向かってゆく背中を見送って。台所へ食器具を運ぶと、静かな空間に水道から流れる水と洗浄の音だけが響いていく。
流石に洗い物はまともに出来るようで、早々と終わらせてしまえば、一度居間に戻って先程話していた本を手に、彼の自室へ。)
……..。
( これは、どうしようも無く傲慢で、途方もない夢を見ていた頃の作品で…最後に綴られた話は、恋をしていた自分にとっての告白そのものであった。しかし、当の本人は、第一に読んだにも関わらず気付くことなく終わってしまった。
勿論、気付かれないように書いたのだから当たり前なのだが。
ベッドの上に本を静かに置けば、蘇ってくる感情を押し殺し、再び居間に戻っては腰を下ろして、いつの間にか暗くなった空を縁側から覗けば、一つ、呼吸を整えて、真っ白な画面に向き合うのだった。 )
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