筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 「 よろしく 」とだけ挨拶がわりに返せば、ポケットに手を突っ込んだまま先導するように軋む廊下を進んでいく。暫くすると、一室の前に立ち止まり、引き戸を開けば広めの空間が広がっていた。寝具が一式と、机にタンス、家具も少なく未だ殺風景だが、心地よい風が吹いているのか、カーテンがゆらゆらと揺れており、新しい畳の香りが僅かに鼻腔を通る。)
…一応、ここが君の部屋だ。気に入らなかったら他の部屋でもいいけど。
何か、他に必要な物があれば好きに買って良い。それか、私に言ってくれ。
( 掃除なんて滅多にしないが、とりあえず彼がくる前になんとかこの部屋だけは掃除しておくことが出来た。部屋数は多いが、使用しているのは一部のみだし、殆どが倉庫や書庫と化している。
己の自己紹介も後回しに、早々と簡潔に説明を済ませれば、廊下の1番奥の部屋を指さして言葉を続けた。)
あの部屋は私の仕事部屋だ、仕事中は必ずノックすること。あと、極力入らないことだ。
あとの部屋は自由に使っていい。書斎や書庫の本も好きに読んでくれて構わない。
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