筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( _滅多に鳴らないチャイムの音に、閉じていた瞼を開ければゆっくりと体を起こす。目の前にある真っ白な画面を見つけると、大きくため息を吐いて椅子から立ち上がった。
何事かと思考を巡らせれば、今日から友人の息子が同居するのだったと、仕事とはまた別の不安を募らせながら玄関へと向かう。自ら同居人を募集したものの、長年一人暮らしをしてきた事もあり、同じ空間に他人がいると言うのはどうも想像ができないが…この家の管理を条件にしているし、自分にとって利点もある。
眠そうな目を擦り、邪魔な髪の毛をかきあげれば、鈍い音を響かせながら玄関の戸を開いた。)
……えっと、伊川翔くん、だっけ。
( そこに居たのは、シワだらけのシャツを着ただらしない自分とは正反対に、まさに若さ溢れる出で立ちの青年であった。
確認のため、懐かしい友人と同じ名を口にすれば、更に戸を大きく開き「 とりあえず、どうぞ 」と無愛想にも家の中へと促した。 )
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