スレ主 2022-04-30 22:17:34 |
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【路地裏/雛沢加奈江(死徒化)、梓家始季】
> 周 美優
始季「…そうですか、貴女(美優)にはこの娘(加奈江)が“人”に見えるのですか」
自分自身に向けられる見慣れない狙撃銃(サザンクロス-コメット)の銃口を冷たく、しかし何処か哀しげな視線で一瞥し、瞬時にその射線から回避行動を取り己の姿を翻し躱す。狙撃手というモノは得物の長射程を生かしたアウトレンジ攻撃と不意をうつ様な攻撃機会をそもそもの前提とする存在、こうして目に見える距離で構えられても銃火の雨を掻い潜って来た輩からしてみれば避けてくれと言っている様なものだ。
――豹変振りを見れば理解してくれるモノと考えていたが、それもそうだろう。確かに―彼女(加奈江)は“外見”はまだ人の姿を保っている、尋常ではない本能的な脅威を感じ取れるかどうかまではある程度個人差や経験に左右される。
生憎、己は過去に(こういう手合い)に何度か遭遇し、殺し合って来ている。
人間を血袋だとか単なる退屈凌ぎの簡単に壊れる玩具程度にしか考えていない人智を超えた馬鹿馬鹿しい領域に存在する人外、夜の世界の住人達(ミディアン)と
―ギャンッ■■
交差する一瞬の影、女殺し屋の脇腹から吹き出る鮮血…傷の(復元)を終えた彼女(加奈江)が仕掛けて来た。―瞬きする刹那で距離を詰めてくる、(なり掛け)でも並みの人間なら束になって掛かっても簡単に狩られるだろう。
―現状、女殺し屋は窮地に陥りつつある。狙撃手の少女(美優)は――誤解があるとは言え自分(始季)を敵と認識し狙って来ており、今し方闘っている彼女(加奈江)は“化け物”として覚醒しつつあり、対する自分自身(始季)は既に軽くない傷を負っている。
始季「所詮この世は修羅の巷…ですか――上等です。」
そう自嘲気味に呟きながら隻眼の女殺し屋は狙撃手の少女(美優)と吸血種(死徒)化しつつある少女(加奈江)の二人を相手取るという選択肢を選ぶ。
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