スレ主 2022-04-30 22:17:34 |
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【遊園地/アリ(分隊指揮官)、L、Lダミー×4、ライイングフィギア×多数、きたかぜゾンビ×?】
>日向創、結城理、凪斗、翠星石
低重音の奇妙に間延びする不気味極まりないサイレン――まるでその音を境にしたかの様に先ほどまで無秩序に園内を徘徊していた汚泥色のラバーゴムを被った生理的嫌悪感を煽る奇怪な人型の怪物(ライイングフィギア)の群れが、まるで居場所を特定したかの様にゆらゆらと迫ってくる。
喧々諤々…とまではいかないが、少なくとも先ほどまでは話が出来る余裕があったのも束の間、単純に数体相手にするのとは比較にならない、少なくとも異形を相手に(遭遇して此方が先制出来る)という利点が無い直接戦闘そのものは――モノの簡単に命取りになる。
シュウシュウと酸性の体液をこぼしながら近付いて来る視界内に入っただけでも十数体の身をくねらせる其れ(ライイングフィギア)に照準を合わせながら、日向(イズル)との会話から思考を即座に切り替えて分隊火力の割り振りを考える中東系の傭兵(アリ)に、変わった銃を片手に(大人しく任せてくれる?)と前に出る少年(結城理)を他所に顔を向ける事も無く当の本人(アリ)はうんざりした表情で四方から接近してくる異形を見据えて呟く。
アリ「無駄弾かどうかは此方が決める、この場合はどの道火力が必要だ――お前達に会う前にも同じ事が数回あったが――交戦を回避出来る数じゃ無かった。何をする気か知らんが、此処じゃ色々と勝手が利かん、それだけは頭に入れておく事だ。」
そもそも勝手が利くのならば携帯していた徘徊型のカミカゼドローンでも使って銃を使うまでも無く終わらせている――そういう真似が普段通り出来ないからこそこんな馬鹿正直な直接戦闘を強いられる訳だ。
周囲で円陣の戦闘隊形になったL及びそのダミー4体も目標にスイッチングして射撃開始に備え――指揮官(アリ)がハンドシグナルで発砲を指示しようとした矢先。
ドッドッドッドッドッドッドッ(ローター音)
独特な重量感のある二重ローターが風を引き裂く音と共に、霧の中、空中に見え隠れするシルエット…どうやらヘリコプターらしいが…
アリ「――普段なら大歓迎なんだがな…今一番聴きたくない音が聴こえてきたか。」
L「…識別データ照合…該当機種無し、強いて挙げるなら新ソ連軍のMi-48シリーズに近いかと」
アリ「此方を最初からまとめて殺る気なら数キロ先からロケットか対戦車ミサイルを撃ち込んで来てるだろう。だが――目視出来る位置まで接近してるとなると…解せんな。」
一瞬だけ視えたそのヘリのシルエット―其処に在ったのはコックピット部分が得体の知れない肉塊と霧の中で炯々と赤く妖しく輝く(無数の目)に覆われた―異形の攻撃ヘリの姿だった。
その間にも、何かしら思う節があり離れる様に離脱を図る彼(凪斗)や、物陰に退避する彼女(翠星石)にも蠢く人型のラバーゴムの化け物(ライイングフィギア)は迫って来ていた。
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