スレ主 2022-04-30 22:17:34 |
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【商店街/ハンス・ヴォルター】
>時槻雪乃、山姥切国広<極>
少女(雪乃)が自傷し自ら流す血――の替わりにその身から迸り燃え盛る炎、人皮(そもそも元が何かも分からないが)と肉の焼ける厭な匂いが霧に混じる。数の暴力で押し寄せてくる其れらは呻き声や狂った様な叫び声を上げながら、生き血、死肉、魂、もしくは痛みや恐怖そのものを求めて迫り来る。
一度に対処出来る数ではないと一時退避を図る名だたる刀の付喪神な彼(山姥)と、そんな彼が逃げる様に声を掛けたが、少なくとも――冷たくともその芯に優しさを秘めて、尚且つ己が(役目)に忠実な黒を基調としたゴスロリな装束姿の少女(雪乃)は退く事をせず己が“力”を以って立ち向かう。
―炎は確かに少なくない数の(異形)を焼き尽くした、だが場所が悪いのかかなりの数が集まり出していた事もあり阻止するという意味では決定打足り得なかった。
距離的にも彼(山姥)が彼女(雪乃)を無理にでも抱えて駆ける勢いで往かなければ飲み込まれる…
と
ガラッ…
商店街の一角、恐らくは雑貨店らしき店のシャッターを塞いでいた合板の一部が不自然に(外れ)て―丁度、店内に滑り込める位の範囲でシャッターが開いている。
――
―このまま霧の商店街から逃走劇を繰り広げるも良し、あるいは何か意味ありげに開いた商店街の雑貨店に逃げ込むも良し…しかし其処また運命の分かれ道。
―
一方、商店街、立ち並ぶ建築物の屋上から二人を見下ろす怪しげな視線、サイバネティック強化を施されたその双眸は不可解な性質の霧の中でも正確に青年(山姥)と少女(雪乃)を捉えて、尚且つ簡易な分析すらしていた。
ハンス「アノーマリー(刀剣男子※山姥)にパイロキネシスの一種の異能者(雪乃※“騎士”の事を知らない為勘違いしている)か、実に興味深い…存分に逃げ惑え、戦え、殺せ、**、生きろ――終わり無き霧の今宵は修羅の巷…或いは――循環する悪夢の螺旋。何にせよ(此処)は実に素晴らしい場所だ、そう、まるで嘗てのスターリングラードの様に」
そうして何がおかしいのかフハハハハハハと狂気しか感じられ無い様な笑い声を周囲に高らかに響かせる。
そう、(生存者)と言えども(呼ばれしモノ)がまともという保証はどこにも無い、―恐怖に当てられて気が狂う者もいれば、端から危険な者もいる。
このハンス・ヴォルターという名の狂ったドイツ人の老科学者――未だその精神がWW2の東部戦線に蝕まれた戦争狂(ウォーモンガー)―血と腐肉と硝煙の向こう側に何かを見出そうとしている男もまたその類の危険な存在であった。
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