オペラ-罅隙- ／ 〆

(自業自得だが先程から翻弄されると嫌な気はせず、嬉しくあり。一緒に眠って明人の寝台へ再び腰掛けるとその時の記憶が思い出され、思わずはにかんで微笑み。耳は弱い部位で軽く口付けられただけでも肩を跳ねさせ、敏感に反応示し。握る手に指が絡むと嬉しそうにぎゅっと強く握り返して。初な櫻子にとって明人の発言は全てが刺激的で“全部させるつもりなのか”に反応すると、何を想像したのか先程の明人同様に首筋まで一気に紅潮してしまい。頬擦りされて再びの至近距離に羞恥で頭がぼんやりとしてしまうが、柔らかそうな明人の唇を視界に映すと、空いている手で明人の腰を引き寄せ密着し。吸い寄せられる様に唇を近付け、態と真っ直ぐに瞳を見詰めながら美味しく食す様に唇を念入りに舐め始め、時折熱を孕んだ息が微かに漏れて。今度は角度を変えながら下唇を優しい力で食むようにして執拗に唇堪能し。最近まで口付けの経験すらなかった櫻子なのだが、明人との口付けがすっかり大好きになり。今度は上唇を何度も吸って舐めてを繰り返し、唇を離す所か強く押し付けつつも何とか言葉を発して。)

明人は、俺との口付け……好きか？