匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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なっ……あ、
( 口付けや艶事に対する忠告の返答に己を求めろと言う櫻子に、忠告を無視して誘っているのかと、そこまで自分が嫌いかと悲しくなると同時に、言葉自体の意味に抗い難い欲が腹の底を抉るのを感じれば顔を赤くして絶句。しかしすぐ流れた一筋の涙に、ほら見たことかと何故か少し安堵したため息をつき、ハンカチーフを出そうと懐に手を入れた瞬間、櫻子が廊下で亢奮し出せば「おい、馬鹿、廊下っ」と慌てて抱きしめ、女とは違う固い筋肉のついた胸で櫻子の声を吸収する。そのままもう殆ど近くになっていた自室に引き込み戸を閉め、とん、とん、とあやす様な優しい手つきで小さな背中を撫でると、先程自ら拒絶したにも関わらず抱き合う体勢のまま櫻子の話を聞き「それでも、俺が傷つけたくないんだ。……でも、一度大切な親友と言ったお前を信じることも出来ない。ごめんな。」と優しく悲しみに濡れた声でもう一度謝って。そこへ何を思ったか、男の事情を聞いてくる櫻子に思わず身動ぎすれば、先程の忠告から昂りつあった其れを押し付ける形となり、猫のようにビクッと後ろに跳びの退けばドアノブが背中の柔らかいところに突き刺さって低い悲鳴を上げ。そのままゆるゆるとしゃがみ込んで項垂れると、口の前で手を祈るように組み、耳や首筋まで発光してないかと言うほど真っ赤になって、深い深いため息をつき とうとう顔を上げなくなって。 )
……だから、男に気持ちなんかいらないんだよ。泣いてようが笑ってようがすぐ"こう"だ。だから気をつけろと……もう、勘弁してくれ……
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