匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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(薄暮の迫る静かな廊下を二人で歩きながら、昼休みの刺激溢れる記憶に櫻子は思いを馳せていた。傍から見ても二人は啀み合っているのが明らかだが、誰かが仲裁せねばヒートアップする恐れがあった為に、素っ頓狂な発言で終わらせようと櫻子なりに考え行動で示し。その行動が二人にとって正しい判断だったかどうか櫻子本人は今でも思い悩み。開け放たれた廊下の窓から入り込む風は何時の間にか涼しさを含むようになり、季節が移ろいでいくのを肌で感じ取り。昼休みの記憶もそうだがそれ以上に櫻子にとって嬉しい悩みは、明人の行動全てで。午前中にも増して距離感が近い様に感じ取り、それはほぼピッタリと言っても過言ではなくて。変に態度を変えられて離れられるよりかはましで、と安心しており。明人が監視から櫻子へ近付いているという真意に櫻子は全く気付いておらず、寧ろこの近すぎる距離感は心地好いとさえ思っており。振り向かれてその視線に気づくとハッとさせられて我に返り。唐突な首筋への接触、疑いの眼差しや言及に歯切れの悪い声で「アレはだな……その。俺も周防の真意は解らないが、もしかしたら俺たちの関係を疑っているのかもしれない。同室だし、最近特に仲良いだろう?」不安から櫻子は曖昧な表現で表すと、言葉はまだ続けられ。当時の事を思い出すだけで櫻子の躰は恐怖で震え、明人を見遣る瞳は動揺から揺らいでおり。)
この首筋の痕を付けたのは明人だろうと周防から言われて、驚かされた。全てを見透かされているみたいで……周防が怖い。
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