オペラ-罅隙- ／ 〆

(怒りを向けられるのはご最もでそれでも尚、時折優しさが垣間見えると複雑な心境となり。室内を施錠されては最悪の事態を想像してしまい、冷や汗を背中に感じて。悲しみと愛おしそうな視線に何故か恐怖を覚え、頬へ指が触れられると無意識に瞼を強く閉じてしまい。次の行動が読めず焦りは増すばかりで、そうこうしている内に足技によりバランスを崩し、肩を押されたことで躰はベッドへと沈み明人を見上げる状態となって。裏切って明人を傷付けたのは櫻子自身なので、大切な人がどうしたら幸せになってくれるのかしか櫻子は考えておらず、考え抜いて行き着いた結論は「俺を辱めて気が晴れるのなら……何度だって受け入れる覚悟は出来ている。」自身のことなど二の次で最優先は大切な明人と順位付けされており。“目移り”という発言で“俺以外見るな”と勝手に捉えてしまい、少しでも意識してくれているのではないかと考えるがその可能性を直ぐに否定し。自惚れてはダメだと戒めるも、昼間の件を思い出すと痕が残っている方の首へ優しく触れながら「この首の紅い痕や荒々しい接吻も明人だから嬉しいと感じて、甘い痺れが心地よく……変な気持ちにさせられた。」無理矢理の荒々しい接吻と首筋を強く吸い付かれた時に感じたあの甘い痺れは、経験が少なくて初な櫻子には刺激的且つ中毒性があるようで。記憶が呼び起こされると羞恥から耳朶や首まで紅潮させ。)

明人はどうしたら幸せになってくれるんだ？