匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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……痛かったろう、悪かったな。
( 自業自得だとは分かっていても、櫻子が自分から離れていくことを考えるとゾッとせず、華奢な手首を握る力が自然と強まる。懸命に机に向かう真剣な横顔も、その顔がこちらを見て柔らかく微笑むのも、そして既に知ってしまった怯え恥じ入る赤い頬も、全て誰にも渡してなるものか。誰にも櫻子を見られないよう気を張っていては彼女の言葉を聞く余裕もなく、無言のまま乱暴な手つきで自室に引き込んで。部屋に入ってからも最早櫻子の言葉は怒っている自分を宥めんとする媚びとしか受け取れず、先程の剣幕からは思いもつかないほど優しい声音で眉を下げ、力任せに引っ張ってしまった手首を撫でさする間合いは、会話の成立していない不気味なものとなっていて。ふと手を離して背中を向ければ、櫻子閉じた扉の鍵を閉めて向き直り、悲しくも愛おしそうな視線と共に人差し指の背で櫻子の滑らかな頬に触れると、大外刈りの要領で脚をかけベッドに向けてその肩をぐいと押して。 )
お前はどうすれば目移りしないでいてくれるんだろうな。誰にも相談できない程に辱めてやればいいか?
……可哀想にな、あんなに忠告してやったのに。
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