匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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うわ、おい……落ち着けよ。
お前のせいじゃ……、
( 椅子がけたたましく床を打つ音に顔を顰め、椅子を起こそうと近づいたところに手首を掴まれると、少々予想より櫻子の動揺が激しく目を見開く。こうして問い詰められることはある程度予測していたにも関わらず、泣きそうな顔をされれば胸の痛みに言葉を詰まらせてしまって。自室を出た時は本当に櫻子の安眠を慮っていたに関わらず、普段は凛々しいつり目が不安そうにこちらを見上げ、手首で柔らかい手が震えているのを感じとれば、腹の底がゾクリと重たくなるの感じて、眠れないのはどちらだと、苦しむ彼女を前にして浅ましい己に舌打ちして天井を仰ぎ見る。そこへ追い討ちのように向けられる珍しい櫻子の姿に、元々人に頼られるのが好きな性質では抗えず、きゅんきゅんと主張する心臓を黙らせるように長く長く息を吐けば、櫻子の方から手を離させようと、ギラギラしている目とは対照的に理性を感じさせる低い声で諭して。 )
……警戒心がつくづくないな、昨日俺に何をされたのか忘れたのか?勘違いされるような物言いはよせ。
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