匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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(あの時素直に話していたら結果は変わっていたのだろうか。信頼していた親友から裏切られ、明人の負った傷の深さは計り知れない。振り払われず左手が握られると同時に視線が重なると驚いて涙は引っ込み、目が合って嬉しい筈なのだが、無意識に目を逸らしてしまう。親友の明人なら、という甘えがずっと片隅にあり櫻子は現実を甘く見ていた。憎いと連呼された事により其れが崩され、親友と呼べる日なんてもう二度と来ない。どんなに謝罪しても明人には届かないと思い込んでいると、優しい手付きで涙を拭われことにより頭の中はぐちゃぐちゃになり、再び頬を伝い雫が落下し。話し声は聞こえているが右から左へ受け流されている状況の中、頤を掴まれ唇が荒々しく重なってから意識が戻ってきた。初めての接吻は理想とは違い全く甘くなかった。接吻が初めての櫻子は動きに戸惑い、必至になって酸素を取り込もうと足掻く度に色っぽい吐息が唇から漏れ、瞼に溢れんばかりの涙が溜まっていく。胸元を押して引き離そうとするも唇へ意識が持っていかれ、徐々に力が抜けていくと押す力は微力となり。)
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