匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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(可愛い妹の為にと汐は仕事を一通り片付け、朝か兄妹水入らずの時をゆっくりと過し。櫻子は汐に剣道の稽古をつけてもらったり、二人でゆっくり話しながら昼食を摂ったり。藤堂が自宅へ迎えに来てくれる迄の間、離れていた間の隙間を埋めるように存分に甘えては櫻子の顔から笑みが絶えず。時間の経過は早いもので夕間暮れとなって辺りが薄暗くなり。門の前で待っていたのだが、約束の時刻は疾うに過ぎ去り。事故にでも遭ったのではないかと心配になって、そんな櫻子の姿を見兼ねた汐は「柾さん。藤堂君はもしかしたらご実家の方で何かあったのか、それとも違う理由で来られなくなったのかもしれませんよ。」妹を心配させぬよう髪を撫でながら優しい声色で諭すように話し掛け。櫻子は大切な親友が今この時、危険な目にあっていたらと考えては「明人、どうしたんだよ……何があったんだ」消え入りそうな声量で悲しげに呟き。汐から優しく抱き締められると徐々に櫻子の心は落ち着きを取り戻して。寮の見回りの時間が迫ってきており、汐へその事を話すと寮まで運転して送ってくれることに。安全運転で寮へ到着すると「もしかしたら先に帰っているかもしれませんね。どんな理由でも藤堂くんを責めてはいけませんよ。分かりましたか?」降りる間際、汐の発言に対してゆっくり頷いてから扉を閉めて。自動車が見えなくなるまで見送るとトランクケース片手に自室目指して歩き。部屋の灯りが点っていないのを確認し、まだ帰っていないのだと認識しては静かに扉開け中へ踏み入り、小声で挨拶して)
……ただいま。
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