通りすがりさん 2022-03-03 18:41:58 |
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__おや、いつかの。
本当に返しに来てくれたんだね。
( ノックの音が響き渡り、暫くして、扉をゆっくりと開けながらマスクが顔を覗かせる。来客に驚いているような、しかし、どこか分かっていたようなそんな反応を見せつつも、人間に訪ねられたのは久しぶりなのか、嬉しそうに扉を大きく開けて歓迎の意を示した。
相変わらずマスクに手袋姿のままだが、ジャケットは身に付けておらず、シャツを腕まくりして外で見るよりは楽そうな格好だ。)
さぁ、外は寒いだろう。
ついでにゆっくりしていくと良いよ。
( 彼を道案内してくれた真っ白な鳥が、肩へと静かに飛び乗れば、その頭を指で優しく撫でながら相手を家の中へと招き入れる。
屋敷と呼ぶには些か迫力に欠ける、まるでログハウスのような家だが、様々な植物の生い茂る温室も相まって、なんだかタイムスリップしたような不思議な空間だろう。
室内にも幾つか魔法がかけられているのか、その室内も程よく暖かく、優しい薬草の香りが立ちこめていた。 )
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