着ぐるみパンダさん 2022-02-12 16:39:37 |
通報 |
…怖くないわ。
もっと、怖くて寂しいものを知っているもの。
生きているのに、ここに居るのに、腫れ物のように無視されて、一人ぼっちでいる方が随分と苦しいわ。
( 身体を起こそうと動く相手に、尚も手を添えながらも、幾分呼吸が落ち着いたようで安心し、静かに問いかける言葉に耳を澄ませる。
一間、呼吸を吸えば、はっきりと怖くないと伝え、ぽつりぽつりと言葉を続けた。
人は、忘れられることが本当の死だと言うが、その通りだと思う。まして何も見えない自分にとって、1人で居ることは無の世界しかないのだ。)
勿論、傷付いたけど、今は何ともないの。
見えない分、“感じる ” けれど、それも全部気づかない振りをすればいいのよ。
( もう1つの問いについても、答えはすんなりと出てきた。突然視力が奪われていく恐怖と、周囲の視線は幼心には随分と応えるものがあった。
しかし、傷付いて嘆いたところで、この瞳に光が戻ることは無いし、優しくされることも無い。また、それを期待しているわけでもないので、気にしたら負けだといつからか諦めることが得意になっていた。その代わり、笑顔を絶やさなければいつかはいい事があると信じていたのだ。
これもまた笑顔で上記を述べ終われば、心配を掛けてしまっただろうか、と再度相手の背を優しく撫で 「 私は強い子だから平気なのよ 」と肩を竦めて微笑んだ。)
トピック検索 |