オーナー 2022-01-21 17:26:50 |
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はーい、了解。なんちゅうか、食い盛りの思春期みたいなリクエストやなぁ。成長期なん? まだまだ若いな~
( 相変わらずの目を見張る身軽さを以ってダクトへと消えていく姿を見送り、彼が颯爽と去っていって一人になった後、しみじみと独り言をこぼして苦笑紛いの小さな笑い声を。ともあれ、奴の食への執着心は身に沁みているので、その期待は裏切れない。リクエストに応えるために頭を捻りながら、その足で食堂へと向かい。
──食堂の調理場。目の前には完成品のオムライスが。半熟卵に、たっぷりのトマトケチャップ、彩りにブロッコリーとポテトサラダ。そして極めつけにコンソメの効いた熱々のチキンライス。二つのうち、一方はこれでもかというくらい大盛りに仕上げた。急拵えで凝ったものではないが、味、見た目ともに及第点といったところではなかろうか。今頃腹を空かせているであろう奴を思い、ふと笑みがもれた。昼間とは打って変わって閑散とした食堂。広い机にカップと食器を二人分並べて、あとは彼の到着を待つのみとなったところで、そういえば、ここに来る前に喫煙室に向かっていたことを思い出す。……待っている間、少しくらい吸ってもバレないのでは。すぐに魔が差してしまうのは自分の悲しき性で、懐から愛用の紙煙草をそろりと取り出し、一本指に挟むとかちりと火を点けた。咥え煙草の紫煙を燻らせて、ふぅ、と気怠げに煙を吐き出し。そして濁りきった眼で怠惰な発言をこぼし )
っかー……仕事の合間の一服は堪んねぇなぁ。もうこのまま仕事ぶっちしてぇ。うん、それがいいよ。そうしよう
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